こんにちは。

今回は「農業振興地域（のうぎょうしんこうちいき）」と呼ばれるエリアの農地について書いてみたいと思います。

農地転用

「何でリフォーム関連のブログに農地がでてくるの？」とお思いかもしれませんが、これが大いに関係が有ります。

先日自宅の前の敷地(庭)を「(土間)コンクリート敷きにしたい」と御問合せがありました。

その土地はお客様ご自身の所有ですので普通なら工事可能なのですが一つ問題がありました。

それは「土地の一部に農地が含まれていた」からです。

そもそも農地(田んぼや畑)を農地以外のものに(転用)する場合には許可やら届出やらが必要だったりします。

農地にもいくつか種類がありまして(詳しくは次の機会に)農地転用(のうちてんよう／農地を農地以外のものにする→農地をつぶす事）自体はそんなに難しくはないのですが唯一(と言っていいかも)難攻不落なのが(農地転用が難しいのが)「農業振興地域の中にある“農用地区域(のうようちくいき)”」です(当該土地の一部は農用地区域でした)。

農用地区域

農業振興地域(農業の振興を促進する事を目的とする地域→農業という産業を盛り上げていきましょうという目的で指定された地域）は“農用地区域”と“その指定を受けない区域”に分かれています。

で問題の農用地区域とは→「土地改良事業(農業用水や区画整理などの農業土木)がなされたなどの生産性の高い農地で農業上の利用を確保すべきものとして指定された区域」だそうです。

ようするに「農業用水の整備や区画整理により沢山の農産物が取れるようになった良い農地」なので「農地としての利用を確保しましょう(守りましょう)」という区域。

よって「宅地など他の用途に変える事は厳しく制限」されています。

とにもかくにも農業用地以外への変更は難しいと考えた方が良いと思います。

何でダメなの？

前途の例にしても良くある「家を建てたいから宅地にしたい」といった場合など「農地として使わなくなった」から農地転用したいのに「何でダメ？」なのでしょうか。

食料自給率

まずはこれ。

食料や食料自給率は国(日本でもどこでも)の根幹(重要なもの)と言って良いでしょう。

だから「農業や農地を守りましょう（守らなければならない）」といった理由は良～く分かります。

税金

あともう一つ。

新潟県のものすごく広大で綺麗に区画整理された田んぼの写真を見た事がないでしょうか（小学校か中学校の社会か地理の教科書か何かで）？

あれが農業振興地域内にある農用地区域です（勿論あんなに立派なものばかりでなく皆様のすぐそばにもっとこじんまりとした農用地区域があったりします）。

先程も書きましたが農業用水の整備やら区画整理などの工事で「（おそらく)ものすごい額の税金が投入されている」はずです。

したがって「そう易々とは農地転用などさせまい」と役人が考えるであろうことはなんとなく想像できます（できるのでは？）。

農用地区域からの除外手続き

農用地区域の農地転用は「全く不可能」というわけではありません。

「宅地にして家を建てた」といった例はあります。

がやはり「許可がおりない」場合や「許可がおりるまでものすごい年数がかかった」といった例も(沢山)あります。

まず最初にやらなければいけないのが農用地区域からの「除外手続き（区域から除外してもらう）」です。

最寄りの役所にある農業委員会等に「この土地を農用地区域から除外して下さい」と申し出ます→年に一回なのか数回なのか、はたまた数年に１回なのか開かれる「(正式名称は分かりませんが)除外して良いか否か決める会議（？）」でその間に集まった案件が「ふるいにかけられる」といった具合です。

メリット？

住宅を建てる目的で農用地区域の土地を購入したり譲り受けたりすることは全く持ってオススメできません。

が・・・購入する予定の宅地の隣が「景色がとっても素敵な田んぼや畑（絶賛稼働中の農地)」で更に「その農地が農用地区域」だったりしたならその素敵な景観は滅多な事では変わらないと(建物が建ったりしない）と推測できます(そういった土地を狙うのはありだと思います）。

調べ方は先程も書きましたが最寄りの役所の農業委員会(場所によって名称が変わったりしますが、だいたい農業○○といった感じ）などで教えてくれます。

ちなみに(役所の人たちは)農業振興地域を「農振地域（のうしんちいき）」、農用地区域を「青地（あおち）」、農業振興地域内の農用地区域(青地)以外の区域を「白地（しろち）」といった呼び方(通称？)をします。

以上「農業振興地域について」でした。

それではまた。

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