断熱材の種類は様々
こんにちは!ミスターデイクの北野です。
最近は改装時に家の断熱の事を気にされるお客様が、非常に多く感じられます。
以前は「寒い」や「熱い」ので何とかしてほしい。という要望が多かったです。というのが断熱材が家に入っていない〈無断熱〉のお宅が実はまだまだ多いもの事実です。
先日もあるお客様が打合せ時に「この家断熱が入ってないから寒いんだよ」って言われており、『そんな、まさか!?冗談ですよね?』とお聞きすると「冗談じゃないよ。本当」って。
実際に解体したら、本当にそのお宅は断熱材が入ってなかったという事実がありました。びっくり! 😯
ということで、最近はその断熱材自体に種類があり、その効果も少し違うところがあります。
本日はその違いと、値段の差などご説明します。
①グラスウール
■比較的安価
■広く普及している
■燃えにくい
■防音効果がある
■湿気対策が必要
厚みや密度によって性能に差があります。
鉱物(ガラス)を細い繊維状に加工した物。
壁・天井・床などに施工でき、価格も安価なため広く普及しています。
原料が鉱物なので燃えにくく、吸音性が高いことから防音に利用されることも。
繊維の密度が高まって厚みが増すほど、断熱性もアップします。
一方で、湿気に弱いというデメリットがあるため、防湿・結露対策が必要です。
②ロックウール
■燃えにくい
■撥水性が高い
■湿気対策が必要
使い方はグラスウールと同じようにつかいます
玄武岩・スラグなどの鉱物を主原料とし、繊維状に加工した物。
グラスウールと特徴が似ており、燃えにくく、熱に強い素材です。
撥水性が高いこともメリットとして挙げられますが、湿気には弱いため対策が必要です。
また、触れるとチクチクしてかゆみを感じることがあります。
③セルロースファイバー
■価格が高い
■結露を防ぎやすい
■防音効果がある
充填するので隙間なく入れることが可能で、熱欠損が起こりにくいです
新聞紙や段ボール、おがくずなどの天然木質系原料を綿状にした物。 ホウ酸や硫酸アンモニウムを加え、難燃性や防虫効果を高めています。
吹き付けていく充填工法で施工するため、隙間を作らず、高い気密性を確保できます。
素材自体が本来持つ吸放湿性が、内部結露の発生を抑制。
環境に優しく、防音や吸音にも効果があります。
一方で、価格が割高であること、専門業者を探す必要があることがデメリットとされます。
④ウールブレス
■価格が高い
■防虫効果が高い
■調湿力がある
■断熱性に優れる
■対応業者が少ない
羊毛で作られた断熱材。自然由来で健康志向の方にお勧め。
原料となる羊毛に、体に優しい防虫処理を施した物。
その防虫効果は、半永久的に継続するとも言われます。
最大の魅力は、羊毛特有の高い調湿力と断熱性。
自ら湿気を吸湿・放湿し、空気をためこんで断熱します。
また、古くから絨毯などに使われているように、耐久性にも優れています。
デメリットは価格が高いこと。
また断熱材の中では新しい素材であるため、きちんと施工できる業者を探すのに手間がかかるかもしれません。
⑤炭化コルク
■価格が高い
■調湿効果が高い
■吸音性に優れる
■防虫効果がある
外張り工法もあり
ワインの栓などの製造で出たコルクの端材を利用し、炭化させた物。
たくさんの空気を含んでおり、断熱・調湿・吸音性に優れています。
また、原料となるコルク樫には自然由来の防虫効果があり、ダニを寄せ付けません。
端材を使うため環境に優しい素材ですが、価格は高くなります。
⑥ポリエチレンフォーム
■主に「ビーズ法」と「押出法」の2種
■結露を防ぎやすい
■施工しやすい
■熱に弱い
押出法のスタイロフォーム
ビーズ法ポリスチレンフォームとほぼ同じ素材を、発泡させながら押し出して、固い板状に成形した物。
プラスチックの粒がビーズ法よりも小さく、薄くても高い断熱性を発揮します。
ビーズ法と同様、水に強く軽量で、加工や施工がしやすい点が魅力です。
一方で、熱に弱いというデメリットも共通しています。
ビーズ法
ビーズ状にしたポリスチレン樹脂を発泡させた物。いわゆる発泡スチロールと同じ素材です。
柔らかく軽量で加工しやすく、水を吸わないという特徴から、結露の防止にも役立ちます。
発泡プラスチック系断熱材の中では安価であるものの、無機繊維系の断熱材に比べると価格は割高です。
また、熱に弱いというデメリットもあります。
⑦硬質ウレタンフォーム
■価格が高い
■断熱性に優れる
■万一燃えると有毒ガスが発生する
細部まで入り込み熱欠損が少ない
ポリウレタン樹脂に発泡剤を加えた物。
ボード状の素材の他、施工箇所に直接吹き付ける工法もあります。
気泡に含まれる小さなガスが熱の伝導を抑えるため、優れた断熱性を発揮します。
デメリットは高価なことと、万が一燃えた場合に有毒ガスが発生する可能性があることです。
ただし、建物の一部が燃えてしまった場合に、有毒成分を発する危険性があるのは断熱材に限った話ではないため「断熱材選びの際に気にしすぎる必要はない」という意見も見られます。
⑧フェノールフォーム
■価格が非常に高い
■燃えにくい
■有毒ガスの不安もほぼない
■耐久力がある
■断熱性が高い
フェノール樹脂に、発泡剤や硬化剤を加えた物。
熱を帯びると硬化する特徴があるため、非常に燃えにくく、有毒ガスが発生する心配はほとんどありません。
熱伝導率が0.019~0.036W/(m・K)と圧倒的に低く、また耐久性にも優れているので、高い断熱効果を長期にわたって維持します。
一番のデメリットとしては、他の断熱材に比べて価格がかなり高いという点が挙げられます
※価格が高いというのは、普及がまだしていない場合が多いということと、施工業者が限られるという点。
それに効果(性能)が高いということが挙げられます。
是非、皆様も断熱材にもこだわって室内環境を良くするリフォームもご相談ください。